【*2015/06】


by kfushiya
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以前フランスのピアニスト、アンリ・バルダ(Henri Barda)のディスクコンサート・レヴューを書いたことがご縁で、ピアニストの秦はるひさんがバルダの伝記『アンリ・バルダ〜神秘のピアニスト』(青柳いづみこ著/白水社刊)を送ってくださったのが一ヶ月ほど前。その間仕事なりなんなりでバタバタしており、ようやく師走も近くなって拝読中だがこれがなかなかおもしろい。バルダの、あの思い切りのよい大胆な解釈の演奏、ユーモアたっぷりのステージングからは想像もつかぬほど、本番前後はなだめようもないくらいナーヴァスになるのだそうだ。その一筋縄ではいかぬ気難しい性格をなだめすかしつつ時にその才能に心の底から感嘆しつつ、いかに一冊の伝記が出来上がっていったかが、彼の人生とともにそのままビシバシと伝わってくる青柳氏の筆致にあいも変わらず感服。バルダの演奏にはじめて触れたときの衝撃は忘れられない。ジャズ・ピアニストに通底するようなグルーヴやダイナミズムが、今日びのその筋の方々よりはるかに濃厚に根源から湧き出ていたからである。並のジャズ・ピアニストを聴くよりよほどスリリング、というのが正直なところだ。大筋の自分の感想と、著者の青柳氏の評とが当たらずしも遠からずのところが多かったので、さほど頓珍漢でもなかったのだな、とほっと胸を撫でおろしたり。しかしながら、秦はるひ氏がその実現に向けて奔走したという2008年のアルバム『紀尾井ホールライヴ』、伝記のなかでも触れられているとおり、フランス本国でもその評はショパンについてばかりで、併録されているブラームスの演奏については書いてないものばかりだ、という青柳氏の見解にはぎくり。自分も、ついグランド・スタイル的なショパンにばかり気をとられてしまったな、と。

さておいて、アンリ・バルダの凄さを言葉であらわそうとすると、どうしてもすり抜けてしまうものがあるが、その捉えどころのない壮絶さを巧く絡めとった表現に著書も大詰めになって出会った。以下引用させていただくと;

・・・もしかしたら、バルダの自虐趣味こそが彼をピュアなまま保たせているのかもしれない、と。聴衆を感動させたことを認識させてしまったら、次回からは感動を演出するようにもなるだろう。こうすれば人は感動してくれる・・・ノウハウを知ってしまうと、無意識のうちにセルフコピーを始める。そのくらいなら、客席の感動を察知しないほうほうがよほどいい。・・・(同著 p.238)


音と音との間がもっとも重要であるとするバルダの音楽、"音の隙間を筋肉で埋める" バレエのピアニストとしての経験が小さくはない位置をしめるというその経歴。彼の音楽が突き付ける、ジャンル云々を超えた一回性の衝撃(単純に即興という単語では括れない)の鍵がこのあたりにあるような気がした。
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# by kfushiya | 2013-12-01 20:03 | 音楽と日々雑感 | Comments(0)

舘野泉氏新刊本

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↑六耀社のHPより転載させていただきました


急激に季節は秋となり、感覚が研ぎ澄まされる時期を迎えました。こちらは日々に忙殺されつつも、ふと立ち止まって自分の来し方や人との出会い、音楽との関わりを考えることもおおく。先日は20年も人生を共にした実家の愛猫が亡くなり、最後を看取ることもできなかったのが心のこりだ。おもえば2人の祖母を亡くしたときも、東京にいたりドイツにいたりで立ち会えなかった。愛猫は、最後の最後まで立ち上がろうともがき、立派だったという。大切な存在の死をきちんと見届けることなく看過してしまう人生なぞ、なにか欠陥をうむのではないか、うすっぺらぺらの情のうすい人間になってしまうような危機感すらおぼえる。

さて、六耀(りくよう)社から出版される舘野泉『生きる力』に、5月に書いた「左手の音楽祭」評が掲載されることになった。「ソリストの思考術シリーズ」の第8巻にあたり、出版社の創立40周年記念の企画出版とも重なる力作。舘野氏は2002年、デビュー40周年記念リサイタルの演奏中に脳卒中で倒れ、以後右半身不髄となった。右手が使えなくなるという、ピアニストにとっては誰もが絶望を禁じ得ない状況のなか、現在は「左手」のみで演奏活動を続ける新生・舘野泉としてカムバックされ、世界でも唯一無二の活動を展開されている。ここに至るまで、計り知れないほど壮絶な自己との闘いがあったことだろう。氏の演奏に巡り会えたことに幸運におもうし、私の評などを著書に収めていただいたことに恐縮と光栄をとおりこした何とも言えぬ空恐ろしげな心地です。

みなさん是非お手にとってご覧ください。
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# by kfushiya | 2013-10-25 21:37 | 音楽と日々雑感 | Comments(0)
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↑サミュエルと初対面

画廊で仕事をはじめてから出張やらなにやらで音楽生活からおさらばしていましたが、批評を継続的に書かせていただいていたサミュエル・ブレーザーが来日するのだけは見逃せない、是が非でも生音を聴かなければ、とはおもえど直前まで香港出張、サミュエルのスケジュールもよくわからず、という感じで半ばあきらめていたもののどうにか最終日のディスクユニオン・インストア・ライヴには間に合いました。マネージャーの内田泉さんとも初対面で楽しいひとときをすごした。

さて、インストア・ライヴということで、規模は通常のライヴよりもさらに小さいわけですが、そのぶん至近距離、ディスクからも否応なく押し寄せてくるあの途轍もないグルーヴを体感できた。サミュエルは完全なアコースティック主義、楽器本体以外ではプランジャーを用いる程度だが(時にエレクトリック顔負けのノイズも浮かび上がらせるから不思議だ)、変幻自在な音の伸縮は見事の一言。トロンボーンという楽器からはじき出された音はあたかもひとり歩きをしているようで、滞空時間がとてもながい(少なくともそう感じられる)。空気への音の溶け込みが抜群だ。
「音浴」の感覚が、最初の一音が始まってこのかた最後の一響が消え去るまで持続する、という聴覚体験はそうあるものではない。包容力という言葉で表現しきれぬほどの膨大なストックが彼の音楽には自然に備わっている。古典から現代、オーソドキシーから前衛に至るまでの汲みども尽きぬ音楽の脈流が、たまたまコンテンポラリー・ジャズという切り口で発露されているにすぎない---そんなユーモラスな想像力まで掻き立ててくれる。考えてみれば先進的なジャズが何もエッジィである必要はなく、日頃われわれが、いかに刹那的なインパクトを刻むものばかりに慣らされているかと意表を突かれた。サミュエルの音楽が刻む衝撃はもっと深い。例えば古典を現代に蘇らせる場合でも、これみよがしに「世代的なノリ」に逃れることもなく、時空を超えたおおきなプロットが失われることはない。本物の迫力かくありき。

偉大な音楽空間にどっぷりはまってトリップしているようなアドヴェンチュアラスな感覚は、サミュエルの音楽がもつ強力な独自性であり、競合がいない。ゆえにライヴを展開する上で(とくにツアーなど)編成のむづかしさにもつながるかもしれない。彼の音楽性をとくと味わえるのはソロか、チェンバー・ミュージック的な趣向---縦ノリではなく響きのラインを活かせる編成や構成が最適だろう。

・・・久々に文章を書いたので疲弊した。ちょくちょく執筆のお話もあるが落ち着いたら考えていこうとおもう。サミュエルを筆頭に、Izumi Productionにはピカ一の実力を誇るアーティストが所属していますので、みなさん是非チェックしてください。
http://www.reverbnation.com/label/izumiproductions
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# by kfushiya | 2013-10-19 20:30 | 音楽と日々雑感 | Comments(0)
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Peter van Huffel's Gorilla Mask; "Howl!"(BTLCHR71232)


今回更新のJTでご紹介した新譜。採りあげるのが外国人の場合、いつも訳すのに一苦労の拙文体。今回はご本人のvan Huffel氏のお父様( G. Van Huffel氏)がわたしの英訳の各部をととのえてくださいました。素敵になったわ~。多謝!!

Another very interesting album has been released from the German label "Between the Lines" which has a reputation for consistently releasing works of quality. It is by the Berlin based trio, “GORILLA MASK”, led by by Canadian reeds player Peter Van Huffel. The album was released in Germany on October 26, 2012 and is thus literally brand new.

As jazz continues to evolve, combining elements from various musical origins has become widely utilized and in Van Huffel’s music we can hear highly energetic but gracious fragments of free-improvisation, heavy metal, hard rock, folk music, and more. The music gives one the impression of being moved through an intense whirlwind.

As with every outstanding band, Gorilla Mask‘s attributes include a simplicity of melodies which are easily absorbed into consciousness, sharp strong beats which actually seem to act on the body in a physical sense, instant adaptability to incessant changes, and, of course, technical virtuosity of the instrumentalists.

Van Huffel’s sound may be reminiscent of some legendary free jazz fighters; but it incorporates a uniquely characteristic strong attack with a constantly advancing intense beat: even the slower moments do not fall into gloomy meditation or hackneyed phrase “silence” but always tacitly maintain the heart beats. Thoroughly absorbed and developed jazz idioms explode directly on rising waves of hard rock. The way that tight rock beats surge suddenly from the howl of obstinate riffs provides a very exciting aspect to the music. The band also appears very aware of the influence repetition exerts with respect to drawing in an audience. The very intensely sanguine technique holds up even in the face of apparent disorder. Although occasionally three instruments will collide violently (and what kind of explosion they provide!), a kind of wholeness of the sound is curiously maintained. Supported by highly pressured sounds and tensions, Gorilla Mask takes its audience up and down steep and tantalizing musical cliffs.

For this kind of band, it is clear that rhythm sections play a crucial role. From the beginning to the end of the album, our attention is glued on the wonderful capability of the bassist, Roland Fidezius, his astounding stamina. Not to mention the thick crafty tracing of the bass line on acoustic parts, the sophisticated drone and device usages are peculiar to the young generation that hunts for music without prejudice. Fidezius’ virtuosity could be viewed as a living “sampler”. The drummer, Rudi Fischerlehner shows an amazing flexibility as if he is coiled around the bass. His drumming surprisingly and broadly expands like an amoeba moving drastically from delicacy to boldness in an instant.・・・・・Each of the three musicians has a distinct instigative power which directs the audience’s attention to the music’s non-technical aspects. Importantly, “groove” (let people take part in music) is a concept that does not need consideration. After having overcome any obstacles that make ”jazz” inaccessible, simple and fresh ground is carved out----though it is also outside of technical and compositional perfections. From the audience side, it is also absurd to use phrases like “special technique” etc. We should just enjoy it!

After all, what does the band name "Gorilla Mask" signify?
Is it a lack of a substantial difference between truth and falsehood?
Or, is it the strength of “radicalness” beyond the category of biological dominance?
At least in music, groove rules supreme.

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# by kfushiya | 2012-10-31 23:26 | jazztokyo寄稿記事 | Comments(0)
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*japanese version⇒jazztokyo


ブログがすっかりご無沙汰となっていますが、訪問してくださる方々、ありがとうございます。日々のジョブの都合や諸々あり、ライヴなどからも足が遠のき。いまも痛む足にクリーム等をなすりつけつつ(それでも高いヒールはやめられない!自分にとっては最後の女の砦じゃ)、新譜のレヴューなどを書いています。さて、欧米で活躍する辣腕音楽マネージャーのIzumi Uchida Guillemin氏が私のjazztokyoでのレヴューを見事な英語にしてくださったので、こちらにも転載させていただきます。私の込み入った日本語は英語になるとこういう風になるのか、と勉強になることしきり。なにせ英語が一番不得手なもので(全く使いもんにならんバ〇田大学英文科よ...)。泉さん、ありがとうございます!そして皆さん、Jeff Densonのこのアルバムは本当に素晴らしいので是非!!


'With a flourishing displ...ay of imagination and energy, "Secret World" presents the listener with an intricately structured instrumentation.


“Dazzling” would be the perfect word to describe this album, which is imbued with the ebb and flow of melody.
No matter which part of each track you listen to you will always be surrounded by a delightful sensation - a consistent elegance cleansed of any acoustic trickery such as incendiary notes.
....
Denson's trim, almost stoic musical structure is the consequence of three conscious elements; an insistence on melody, soaring improvisation, and a finely detailed arrangement. These elements are drawn together and swell forward in one wave of music and his music resonates from all imaginable directions.
.....
The tonal range of each instrument is well placed in a dynamic approach allowing Denson's magnetic power to keep the whole arrangement stitched neatly together, which never allows the music to stagnate even for a moment.
...
Despite the current bass-less format trend in music, which can is even to the point were the double bass has somewhat gained the image of being ”old fashion”, Denson's album proves to remind us of the great value of this titanic instrument. The albums affect is like when we are astonished by the sleek power of a classic car when it is revived after many years of absences.
....
I can assure all devotees of jazz that Denson's "Secret World" will satisfy all music lovers, and not just admirers of the double bass. "
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# by kfushiya | 2012-06-06 03:31 | jazztokyo寄稿記事 | Comments(0)
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↑古書店前の猫(ヴェネツィア)。水慣れしてます。

*5月号*
肉体的な疲労がどこまで思考に悪影響を及ぼすのかは不明ですが、考えが浅いほうが幸せなこともあるだろうと楽観的に生きています(利口ぶっててその実アホよりマシですな)。しかしながら、この貧困なボキャブラリーをどうにかしなければ、と思わずにはいられぬほど深い音楽と出会うことが多かった今月。万象を捉えるその感性の鋭さに釘づけとなったJeff Densonの新作。気温が上がってくると求めるわけではないけれど、北欧の涼感をどこかで期待して出会ったSunna Gunlaugsのトリオには、かねてから気になっていたアイスランド・シーンへの興味をかきたてられました(*日本語の人名表記については、ご主人のスコット・マクレモア氏に発音を確認したものです)。ライヴではひさびさのジャズ系レポ、FOOD。クラシック界の名ピアニスト3人の演奏の前に、無力にも散る自分の言の葉のみじめさよ。知覚を広げるためにも、自分にとっては外国語学習がさらに重要なり、と痛感。来月も各方面でピアノが多くなりそうですが・・・。


一覧
*ディスク・レヴュー*
*NEW!!!Michel Reis Quartet『Double Meaning』(4月号)
*Timucin Sahin Quintet『Inherence』(3月号)
*NoReduce 『Jaywalkin'』(1月号) 
*Samuel Blaser Quartet 『As The Sea』(1月号)
*2012年この1枚(12月号)
*Sara serpa & Ran Blake『Aurora』(11月)
*ニルス・ヴォグラム・セプテット『Complete Soul』(10月更新号)
*ティアゴ・ソウザほか『Pao』(8月更新号)
*フィリペ・フェリザルド『Guitar soli for Moa and Frogs』(7月更新号)
*アンリ・バルダ『2008年紀尾井ホールライヴ』(7月更新号)
*サイモン・ナバトフ『Spinning songs of Herbie Nichols』(6月更新号)
*柳川芳命/小山彰太/Azur Vert/イトウカズヒト『悪くない』(6月更新号)
*Dislocation『Mudlayercake』(6月更新号)
*ジェフ・デンソン『Secret World』(5月更新号)
*スーナー・グンラウグス『Long Pair Bond』(5月更新号)
*アンドレアス・シュミット・トリオ『Hommage a Tristano』/『Pieces for a husky puzzle』(4月更新号)
*サラ・セルパ・クインテット『Mobile』(4月更新号)
*イヴォ・ペレルマン トリオ『Family Ties』(3月更新号)
*ダン・テプファー『バッハ/ゴルトベルク変奏曲~変奏曲』(1月更新号)
*2011年この一枚~国内盤/小窓ノ王『Tension』(年末更新号)
*2011年この一枚~海外盤/Samuel Blaser Quartet『Consort in Motion』 (年末更新号)
*ニルス・ヴォグラム ノスタルジア・トリオ『Strum und Drang』(8/28更新号)
*ヨハネス・オクセンバウアー/ハリー・ゾーカル『Bass Player's Delight』(8/14更新号)
*アキム・カウフマン『VERIVYR』(7/24更新号)
*ジャンニ・ジェッビア&ディエゴ・スピタレッリ『The Melody Book』(7/10更新号)
*ニルス・ヴォグラム& サイモン・ナバトフ 『Moods & Modes』
*ニルス・ヴォグラム& Root 70 『Listen to your Woman』
*古谷暢康『シュトゥンデ・ヌル』
*エリオット・シャープ&八木美知依『Reflexions』

*ライヴ/コンサート評*
≪ジャズ/インプロ界隈≫
*NEW!!!航 presents Karl2000日本デビュー・ツアー(4月号)
*菊池雅章ソロ(11月号)
*黒田京子公開録音(11月号)
*FOOD+巻上公一(5月更新号)
*ヒグチケイコ+神田晋一郎「夜の音楽~night music」(1月更新号)
*2011年このライヴ~local坂本弘道+松田美由紀デュオ(年末更新号)
*2011年このライヴ~internationalアンドレ・メマーリ+ガブリエーレ・ミラバッシ デュオ(年末更新号)
*mori-shige/秋山徹次/Giovanni di Domenico(9/25更新)
*田村夏樹5days
*シッツェル・アンドレセン&ホーコン・コルンスタ「北欧幻想」/シッツェル・アンドレセン&八木美知依
*ペーター・ブロッツマン2 Days
*エリオット・シャープ「Syndakit」
*坂本弘道ソロ公演
*solo-duo-trio(mori-shige/高岡大祐/ジョヴァンニ・ディ・ドメニコ/ノルベルト・ロボ)
*小曽根真Road to Chopin
*ステン・サンデル・トリオ スペシャル・セッション

≪クラシック音楽周辺≫
*NEW!!!フランス・ブリュッヘン・プロジェクト第1~3夜(4月号)
*NEW!!!マリア・ジョアン・ピリス&アントニオ・メネセス(4月号)
*NEW!!!東京フィル定期/ミハイル・プレトニョフ/小川典子(4月号)
*岡田将バッハ・パルティータ全曲演奏会(3月号予定)
*デニス・コジュヒン(3月号予定)
*東京フィル定期/渡邊一正(3月号予定)
*東京フィル特別演奏会『グレの歌』(3月号予定)
*ゲルハルト・オピッツ「シューベルト全曲演奏会第8回」(1月号)
*東京フィル定期/ダン・エッティンガー/小荘厳ミサ曲(1月号)
*2012年このコンサート(12月号)
*ワディム・レーピン&イタマール・ゴラン(12月号)
*クリスティアン・ツィメルマンピアノリサイタル(12月号)
*ジ・アート・オブ・アルド・チッコリーニ(12月号)
*ザ・チーフタンズ シンフォニックナイト(12月号)
*浜口奈々ラヴェルピアノ独奏曲全曲演奏会vol.1(12月号)
*マイケル・ティルソン・トーマス&サンフランシスコ交響楽団&ユジャ・ワン(12月号)
*高橋悠治 音楽の風ぐるま(11月号)
*ダン・タイソン ベートーヴェンピアノ協奏曲全曲演奏会(11月号)
*マウリツィオ・ポリーニ(11月号)
*松本和将ピアノ・リサイタル(11月号)
*尾形大介ピアノリサイタル(11月号)
*ヴラジミール・フェドセーエフ&チャイコフスキーSO 80歳記念ツアー(10月号)
*ミシェル・ルグラン生誕80周年記念コンサート(10月号)
*田崎悦子NYデビュー40周年(10月号)
*ベン・キム ピアノリサイタル(10月号)
*菅野潤 室内楽コンサート(10月号)
*レイ・チェン ヴァイオリンリサイタル(9月更新号)
*アロンドラ・デ・ラ・パーラ/東京フィル/村冶奏一(9月更新号)
*渡邊一正/東京フィル/中村紘子(8月更新号)
*アンリ・バルダ ピアノリサイタル(7月更新号)
*ゴットリープ・ヴァリッシュ ピアノリサイタル(7月更新号)
*ルーカス・ゲニューシャス ピアノリサイタル(7月更新号)
*プレトニョフ/ロシアナショナル管/樫本大進(7月更新号)
*リーズ・ド・ラ・サール ピアノリサイタル(6月更新号)
*アレクサンダー・ロマノフスキー ピアノリサイタル(6月更新号)
*イェルク・デームス ピアノリサイタル(6月更新号)
*イーヴォ・ポゴレリッチ The Legendary Romantics(5月更新号) 
*伊藤恵~ブラームス、細川俊夫&シューベルト(5月更新号)
*高橋アキプレイズ・シューベルト(5月更新号)
*東京フィル/山田一樹/小山実稚恵(4月更新号)
*東京フィル/広上淳一「黛敏郎四大傑作」(4月更新号)
*ジョン・リル ピアノリサイタル(3月更新号)
*東京フィル第809回オーチャード定期/小林研一郎(2月更新号)
*東京フィル第66回定期/外山雄三(2月更新号)
*ロヴロ・ポゴレリッチ ピアノリサイタル(1月更新号)
*ゲルハルト・オピッツ シューベルト連続演奏会第3回(1月更新号)
*エフゲニー・ザラフィアンツ ピアノリサイタル(1月更新号)
*チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団/デビッド・ジンマン/ヨーヨー・マ(年末更新号)
*アナスタシア・チェボタリョーワ ヴァイオリンリサイタル(年末更新号)
*The art of Aldo Ciccolini/第二夜(11/27更新号)
*都響「作曲家の肖像シリーズ"レスピーギ"」ロッセン・ゲルコフ/野原みどり(11/27更新号)
*内田光子&ハーゲン四重奏団(11/27更新号)
*ペーター・レーゼル ベートーヴェン・コンツェルトツィクルス完結編(11/27更新号)
*ペーター・レーゼル ベートーヴェン・ソナタツィクルス完結編(11/27更新号)
*ボリス・ベレゾフスキー/パッパーノ/ローマ・サンタチェチリア管弦楽団(11/27更新号)
*ケマル・ゲキチ オールリスト・リサイタル(11/27更新号)
*サントリー芸術財団『作曲家の個展2011/三輪眞弘』(10/23更新)
*新実徳英ヴァイオリン作品展(10/23更新)
*東京都交響楽団第720回定期Aシリーズ/マーティン・ブラビンス/上原彩子(10/23更新)
*東京都交響楽団「作曲家の肖像シリーズ~モーツァルト」(9/25更新)
*田代慎之介ピアノ・リサイタル(9/25更新)
*サントリー芸術財団サマーフェスティヴァル2011「芥川作曲賞選考演奏会」(9/11更新号)
*住友郁冶ピアノ・リサイタル(9/11更新号)
*東京ニューシティ管弦楽団第76回定期演奏会『怒涛のロシア音楽』/ペテル・フェラネッツ/小山実稚恵(8/14更新号)
*曽根麻矢子 クープラン&ラモー/クラヴサン作品全曲演奏シリーズ第3回~雅やかな宴:ヴァトーの絵画世界<雅><ブローニュの人>(8/14更新号)
*東京フィルハーモニー/大植英次/小曽根真(7/24更新号)
*東京フィルハーモニー/川瀬賢太郎/前橋汀子(7/24更新号)
*JTアートホール室内楽シリーズ『ギターの室内楽XII~哀歓の歌曲』
*JTアートホール室内楽シリーズ 特別コンサート「室内楽のススメ」Ⅲ/第1回・第2回
*ピョートル・アンデルシェフスキ ピアノ・リサイタル
*瀬川祥子ヴァイオリン・リサイタル
*エリアフ・インバル&東京都交響楽団
*シュテファン・モェラー ピアノリサイタル
*横山幸雄 プレイエルによるショパンピアノ独奏曲全曲演奏会第7回
*群馬交響楽団&小菅優
*諸戸詩乃ピアノリサイタル
*エレーヌ・グリモー ピアノリサイタル
*コンスタンチン・リフシッツ ピアノリサイタル
*ショパン国際ピアノコンクール 入賞者ガラコンサート
*千住真理子+スーク室内オーケストラ
*ゲルハルト・オピッツ シューベルト連続演奏会
*アンリ・バルダ ショパンリサイタル
*アレクセイ・ゴルラッチ ピアノリサイタル
*ユリアンナ・アヴデーエワ ピアノリサイタル
*ヴァレリー・アファナシェフ ピアノリサイタル
*岡田博美 ピアノリサイタル

*スコア・レヴュー*
*ギヤ・カンチェリ『Simple Music for Piano』

*インタヴュー*
*サイモン・ナバトフ(予定)
*ニック・ベルチュ
*Johnny La Marama(Chris Dahlgren/Kalle Kalima/Eric Schaefer)

*その他*
*サラ・セルパ&アンドレ・マトシュ インタヴュー訳(葡語⇒日本語訳)
*all about jazz italia記事/伊⇒日翻訳
*ショパンコンクール記者会見
*西⇒日/伊⇒日翻訳

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# by kfushiya | 2012-05-04 22:59 | jazztokyo寄稿記事 | Comments(0)

Jeff Densonがすごい。

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↑詳しくはizumi productionのhpを。

何だか体内時計がおかしくなっており、変な時間にハイテンションに見舞われております。
さておいて、このところずっとヘビロテなのがN.Y.在住のダブルベース奏者・Jeff Denson(ジェフ・デンソン)の新作『Secret World』(between the lines)。日本盤は6月か7月に発売とのことです。

詳しくは別口でレヴューする予定ですが、ここまでメロディに溢れていながらコンポジションも緻密、リズムの畳み掛けと渾然となってアルバムの最初から最後までたゆまずに攻めてくるアルバムは稀少といえそう。抜粋で誰かを語るのが困難を極めるほどの、各プレーヤーの隙のない巧さ。パーソネルはほかに、Ralph Alessi(tp)、Florian Weber(p)、Dan Weiss(ds)によるクァルテット編成、完全アコースティック。全員この上なく研ぎ澄まされた音色を出す。例外なく全曲好きです。

まず一旦聴いたら耳から離れぬ浸透率抜群のメロディ性。ライナーによれば移ろいゆく自然などへの共感という、インスピレーションの源としては正統すぎるほど正統ではあるのだが、美学的でアブストラクト、といった造りこんだ乖離がない。すっと体に馴染む。2曲だけヴォーカルとスキャットが入るが、この声は一瞬女性ヴォーカルかと思うのだが、ベーシスト本人に拠る。このアンドロジーナス的な声質がアルバム全体に及ぼす効果は大きい。Densonの声の豊かさは楽器がツールとなっても同様。伸びの少ないコントラバスを、チェロのような柔らかで扇情的な表情で豊かにたゆませる。斜めから斬り込んでくるかのチェロ的アプローチが音楽の蛇行感をさらに増幅(トランペットと限りなく近似値の音を出している曲もある)。あとはやはり、変拍子で巧みに切り替わる、音風景の多彩さか。あたかも車窓にいるかのように、動きつづける現実と感情の混淆した漂流を味わえる。

ピアノファンの自分にとっては、Florian Weberのピアノがすこぶる気に入ったのだが、個々のプレーヤーについては後の機会にゆずる。しかし、各人の剛腕をこれだけ際立たせながら、いかなる瞬間もDensonの存在感が薄れることがないのもすごい。版元のレーベルがいかなるカラーであろうとも、ジェフはジェフであり続けるだろう-----柔らかながらもそう確信させる、強靭な音楽だ。

今週はいよいよFOOD+巻上公一公演(横浜)。
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# by kfushiya | 2012-04-17 01:00 | 音楽と日々雑感 | Comments(0)